ボディーブロー絵に、クー様が素敵なSSを書いてくださいました。
                         クー様いつもありがとうございます。
                         今回は、亜輝斗の心の選択により話の展開が変ります。
                         5話のパターンがあります、皆さんはどのストーリが好みですか?
                         番外ですので、実際の彼らの性格とは違います、特に
光騎は暴走
                         してますので、光騎好きの方は読まない方がいいかも・・・


〈プロローグ〉

ある日のこと。

とある男が僕の前に現れた。

男の名前はガル。僕や亜輝斗と同い年ぐらいで、僕や亜輝斗と同じボクサー。

でも、決定的に違うことがある。

それは―――

「おーい、光騎ー!」

案の定、後ろから声がした。

「光騎、光騎、俺と一緒に帰ろ!」

 この声の持ち主こそがある。そして、ここまでならば「あーいいやつだなー」と思えるのである。

 何が気に食わないかというと。

「それで、一緒に帰って、俺とデートして一緒にベットに入ろ!」

 …これである。

 ガルは俺と会いたてのころ、スパーリングをしたことがある。ガルが勝負を持っていったのだが、

 そのときに俺に惚れたらしく、以来、色々と俺に付きまとってくるのである。

 加えて、ガルは色情狂の癖がある…って悠摩さんが言ってた。亜輝斗も(自分からは言わないが)

 ガルと色々あったみたいだ。

 こんなことから、どうもこいつは好きになれない。

 というか、そもそも大声でベッドには色とか言うんじゃない!周りからとんでもない目で見られてるじゃないか!

 大体!亜輝斗に手を出している
(らしい)という時点で言語道断である!

「今日は僕、忙しいの。大体、ガルと一緒に帰りたくないし。」

「光騎!どうしてそう僕を避けるんだい!?ああ、そうか!これがいわゆる日本文化の『イヤヨイヤヨモスキノウチ』ってやつだね。

 わかったよ、君の愛、今ここで受け取ったよ!」

「んなわけがあるかぁぁぁ!」

 僕はガルの顔面にストレートを決めると、走って帰路についた。

「…というわけさ。ひどいだろ?」

 ジムに着くと、早速俺は亜輝斗にそのことを報告する。亜輝斗は少し目をそらしながら俺の話に答える。

「うーん、まぁ、ガルだしねぇ…年中発情してる野良犬に噛まれたとでも思えば…」

「どういう野良犬だよ!他人事だと思って!」

「他人事じゃないんだけどなぁ…うーん…」

 その困った顔に流れる一滴の汗。僕はそれを見逃さなかった。

「…亜輝斗、ガルとヤったことがあるの?」

「は、はへ!?そ、そそそそそんなことなななな、ないよ!?」

 亜輝斗の声が1トーン高くなる。

「あるんだろ。」

「な、なないっていってるだろ!?」

「あるんだろ!」

「………すみません、あります。」

 観念したように、ボソッと言う。でも、これはかえって好都合かもしれない。

「…ひどいや。僕や、悠摩さんを差し置いてガルとやってただなんて…」

「ち、違うって!あれは誤解というか事故というか!」

「初対面でいきなり、か。僕はもう、亜輝斗に捨てられたんだ…」

「だ、だから落ち着けって!」

 もう一押しである。

「僕は、今まで亜輝斗と悠摩さんだけを受け入れてきた…でも、これが報いなんだね…」

「な、違う、だから、えっと!」

「違うなら証明してよ!」

「しょ、証明!?」

「僕の言うこと、1つだけでいいから聞いて!」

「わかった!何でも聞くから!」

 勝った。僕はまんまと亜輝斗を味方につけると、ある計画を告げた。

「光騎ー!一緒に帰ろー!」

 次の日。まったく持って同じパターンでガルがやってきた。

「光騎!帰って俺とデートしよ!それで、俺と一緒に…」

「デートだけならいいよ。」

 俺の言葉にガルだけでなく、周囲の目も俺に向いた。

 …こいつら、俺たちのやり取り楽しんでみてやがったな…

「光騎!ついに僕の愛をわかってくれたんだね!」

「愛うんぬんはともかく。一度だけデートに付き合ってあげるから。さっさと準備してきてよ。」

「こぉぉぉきぃぃぃぃ!うれしいよ!僕はうれしいよ!わかった。すぐに準備してくるから、光輝も待っててくれ!

 場所は2人が始めてあった運命の場所だからね!」

 そういうと、ガルはものすごい速さで走っていった。

 なぁにが運命の場所だか。

 俺はそう思うと、ガルとの待ち合わせ場所へ向かった。

 ガルとのデートは至極普通だった。…まぁ、好きでもない相手にドキドキワクワクはせんわな…

 やたら途中怪しげなホテルなどに入ろうとされたが、「入ったら二度とデートしてやらん」といったところ、

 しぶしぶと従ってくれた。そして、2人で夕焼けの見える陸に上がったときだった。

「ねぇ、ガル。」

 僕はガルに少し甘めの声を出す。

「なんか、今、ガルのことを考えたら少し、ドキドキしてるんだ。」

「光騎?」

「これ、触ってみて」

 そういって、ガルに俺の股間のものを握らせた。

「光騎…!僕のことを思って…!こんなにも勃ってるのかい…!」

 案の定、ガルは俺の股間のものを握って感動したようだ。

「ガル、お願い。僕と一緒に、ジムまで行こう。今なら誰もいないから、そこで…」

「わかったよ!光騎!君が言うとこのどこへでも行くよ!」

 これで、準備は全て整った。後は、実行するだけである。

 ジムは電気がついてなく、真っ暗だった。カギもかかっていたが、俺は合鍵を使い、ガルと一緒に中に入る。

「ねぇ、ガル。」

俺はそういうと、電気を少しだけつけた。

「なんだか懐かしいね。ついこの前スパーリングしたばっかりなのに。」

「そうだね、光騎。」

「ねぇ、ガル。ボクサーの格好しようよ。その姿が、その、一番…」

 俺は薄明かりに乗じて恥じて見えた。

「光騎!わかったよ!すぐに着替えるよ!」

 ガルはわかりやすく反応する。

「じゃあ、お互いにボクサーになってリングで、ね?」

「ああ、待っててくれ俺の光騎!」

 そういうとガルは俺の指定した更衣室で着替えに行った。

 俺はすぐに着替えには行かず、別の部屋へと向かった。

 リングで待つこと30秒。ガルがトランクスの姿であがってきた。

「光騎!待ったかい!」

「待ってはないけど、その、すごいね。」

 薄明かりとは言えども、ガルのトランクスには大きな柱が立っていた。

「光騎と1つになると思ったらこんなもんさ!」

 お気楽なもんである。

「ねぇガル。」

「なんだい、光騎」

「後ろ、向いて。その背中を僕に見せてよ。」

「ああ、いいとも!」

 そういわれ、俺はガルの背中に寄り添う。

「ガルの身体、やっぱり僕よりたくましいね。」

「そうだろ?」

「うん。…殴りがいがあるほどに!」

 そういうと、俺はガルのわき腹に手を入れ羽交い絞めにした!とっさにガルが振り返ろうとするが

 それを許さないようにがっちりと固める。

「光騎!?」

 ガルが困惑した声を出す。すると、リングから誰かが上がってきた。

「光騎にそれ以上、手を出すな。」

 冷徹な声を出したのは、亜輝斗だった。

「ねぇ、ガル。」

 俺はさっきまでと違いはき捨てるように言う。

「本当に僕がお前のこと、好きになったと思うの?」

「こ、光騎…?」

「ばっかじゃないの?案だけ詰め寄られて好きになるやつがどこにいるんだよ!」

「で、でも、あの丘で光騎が触らしてくれたのは…」

「ああ、このバイブ?ポケットに入れておいたけど、見事に引っかかってくれたよね。」

「く…」

「お前は僕を怒らせた。僕だけならまだしも、亜輝斗にも手をかけた。だから。僕たちがお前を裁く!」

 そういうと、亜輝斗の拳がガルの腹に食い込んだ!

「ぐぅっ!」

 思わずガルが声を上げる。

「この程度で…終わりだと思ってないだろうな!?」

 亜輝斗が叫ぶと2発、3発とたて続きにボディーブローが入る。

「はぁ…はぁ…」

 亜輝斗もガルも、息をあげる。ガルはわからないが、亜輝斗は汗も流していた。

「みっともないな、ガル。」

 冷淡に俺は言う。

「かつてリングで俺たちを負かしたお前は、その姿で俺たちに制裁されるんだ!」

 その言葉に合わせ、ボディーブローが入る。ガルは声を上げず、ただ必死に耐えているようだった。

 その姿が、余計に癪にさわった。


                                             《亜輝斗の選択》

                                       @「ねぇ、光騎。もう、十分だよ…」 

                                       A「光騎。こいつ、少し生意気じゃない?」

                                       B(……ガル……)

                                       C(俺…このままでいいのか…?)

                                       D「もう、やめろ!光騎!」